① なぜ事前整理が必要なのか
IT 会社に「Excel をシステムにしたい」とだけ伝えると、見積はおおむね 2 種類に分かれます。
- 詳細ヒアリング型:数回の打ち合わせ後に見積提示(2〜 4 週間かかる)
- 概算型:ざっくり「〜 500 万円」「〜 1,000 万円」のレンジ提示
どちらにしても、事前整理が不足していると見積は上振れ(保守的に多めに)積まれます。IT 会社から見ると「わからないリスク = 工数バッファで吸収」が原則だからです。
以下 5 項目を整理しておくと、見積は平均 2〜 3 割タイトになり、提案内容も実務に即したものになります。
② チェック 1:対象業務の 1 日・1 月の流れ
1 日の流れと1 月の流れを、担当者ごとに時系列で書き出します。詳細な業務フローではなく、ざっくりでかまいません。
③ チェック 2:誰が何に困っているか
経営陣が「システム化すべき」と思っている理由と、現場が「使いやすければ助かる」と思っている理由は、しばしばズレます。両方を書き出すことが重要です。
営業:「Excel の在庫表が古くて、お客様に誤った納期を回答した」
経理:「請求書と注文書の照合が目視で、月 10 時間かかっている」
④ チェック 3:データ項目と件数
Excel の列(項目)を一覧化し、データの件数・増加ペース・変化頻度を押さえます。これはシステムのデータベース設計に直結します。
年間注文件数:3,500 件(月平均 300 件)、増加率年 10%
品目マスタ:800 品目、月 10 品目入れ替わり
顧客マスタ:120 社、年 20 社増
⑤ チェック 4:関連する社内外のシステム
既存の会計ソフト、顧客管理(CRM)、EC サイト、グループウェア、メール — — システム化対象業務と関連する既存システムをリストアップし、連携要否を整理します。連携仕様の有無(API ・ CSV ・手動 CSV インポート)も確認します。
CRM:Salesforce(連携不要)
EC サイト:Shopify(連携必要:注文自動取り込み希望)
メール:Gmail(連携不要、通知のみ)
⑥ チェック 5:予算感とスケジュール
「予算は秘密、ベストな提案を」はおすすめしません。予算を伝えないと、IT 会社は無駄に豪華な見積を出してきがちです。レンジで伝えるのが現実的です。
希望スケジュール:4 月導入開始、10 月本番稼働
補助金活用:IT 導入補助金申請予定(採択されない場合は規模縮小)
まとめ:整理した資料は IT 会社に共有する
以上 5 項目を A4 で 3〜 5 枚程度にまとめた資料を、見積依頼時に IT 会社に共有してください。
この資料があるかないかで、IT 会社は 10 分で以下のことを判断できます:
- このプロジェクトの規模感(100 万円級か 1,000 万円級か)
- 既存 Excel の複雑さ・整理度合い
- 社内のプロジェクト推進力(現場巻き込みの状況)
- 自社として提案できるか・できないか
結果、見積は精度が上がり、提案品質も上がり、価格は適正化します。
合同会社 SKY では、お問い合わせ時にこの 5 項目のうち何個か書いてくださっているだけで、初回のご提案精度が大きく変わります。整理の仕方からご一緒に進めることも可能ですので、お気軽にご相談ください。
